「初期化」の版間の差分

出典: LFS Manual
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実際のレース環境においては、ほとんど機械式LSDのみが使用されています。
 
実際のレース環境においては、ほとんど機械式LSDのみが使用されています。
  
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=== ブレーキ ===
 
=== ブレーキ ===
車を止めるのはブレーキです。ブレーキディスクに加える圧力の量を、異なるレベルに設定することができます。これはほとんど試行錯誤で行われます。コーナーを旋回し始める前にあなたが望む最大の力を加えたとしたら、車輪はただロックしてしまうだけです。
 
  
異なる状況に適合するよう、ブレーキバランスを変えることもできます。ブレーキバランスは、フロントブレーキとリアブレーキに伝わる圧力の量を調整します。最適な値は50対50でしょうが、荷重が車のフロントに移動しており、リア側はより少ない質量であるため、後輪はロックしやすくなります。したがってよい値は、およそフロント60%、リア40%のあたりです。ブレーキング中にリア側がロックするなら、ブレーキバランスをフロント側に多くする必要があります。フロントとリアが同時にロックするなら、それが最適なセッティングです。
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車を止めるのはブレーキです。制動力(=ブレーキディスクに加える圧力)を設定することができます。
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この制動力はほぼテストによってのみ決められます。フルブレーキングを行ったときにロックするかしないかくらいの値が適切です。
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異なる状況に対応できるよう、ブレーキバランスを変えることもできます。
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ブレーキバランスとは、フロントブレーキとリアブレーキに伝わる圧力のバランスのことです。
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最適な値は50対50でしょうが、ブレーキング時には車のフロントに荷重が移動しており、リア側はより少ない質量であるため、後輪はロックしやすくなります。
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したがって適切な値は、およそフロント60%、リア40%のあたりです。(ただし、車によってはフロント75%くらいが適切であることもあり、一概には言えません。)
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ブレーキング中にリア側がロックするなら、ブレーキバランスをフロント側に割り振る必要があります。フロントとリアが同時にロックするなら、それが最適なセッティングです。
  
 
=== エアロダイナミクス ===
 
=== エアロダイナミクス ===
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車周辺の空気の流れはウィング、車台の形、およびグランドエフェクトの助けで調整できます。ウィングは、車をトラックに留まらせるネガティブリフト(ダウンフォース)を生みます。これで、コーナーをより速く回れる代わりにトップスピードが落ちます。グランドエフェクトは、車を地面に吸い付かせるために車の下に真空を生みます。これは、いわゆるベンチュリ管のトンネルによって作られます。グランドエフェクトは車高に非常に依存し、車が地面に近いほど、より効果が得られます。(車高に依存するグランドエフェクトはLFSでは未実装です。)
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車周辺の空気の流れは、ウィング、車の形、またグランドエフェクトによって調整できます。
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ウィングは、車をトラックに留まらせるダウンフォース(ネガティブリフト)を生みます。
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これによって、トップスピードを犠牲にする代わりに、コーナーをより速く回れるようになります。
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リアウィングを1ノッチ調整したらフロントウィングを2ノッチ調整するようにすると、車のバランスが同一に保たれます。
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グランドエフェクトとは、走行中の車の下の空気の圧力が真空状態に近づくことで、車を地面に吸い付かせる効果のことです。
  
ウィング設定は頻繁に計算されます。車のバランスを同一に保つには、リアウィングを1ノッチ調整したらリアウィングを2ノッチ調整します。
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これは、いわゆるベンチュリ効果によって作られます。
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グランドエフェクトは車高にほぼ比例し、車高が低い(=車が地面に近い)ほど、より効果が得られます。(車高に比例するグランドエフェクトはLFSでは未実装です。)
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== ゼロからのセッティング工程 ==
  
== ゼロからの開発工程 ==
 
 
車の基本がわかったところで、これらの情報を有効に利用する方法を学ぶ必要があります。
 
車の基本がわかったところで、これらの情報を有効に利用する方法を学ぶ必要があります。
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現実世界のほとんどのレースエンジニアは、テスト日やテストセッションの自分なりのモデルを持っています。
 
現実世界のほとんどのレースエンジニアは、テスト日やテストセッションの自分なりのモデルを持っています。
これから私のモデルの基本をお教えしましょう。誰にでも適合するとは限りませんが、これはあなたに作業の土台を提供し、あなたが自身のモデルを開発することを助けることでしょう。
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これからモデル一つの例をお教えしましょう。誰にでも適合するとは限りませんが、これはあなたに作業のベースを提供し、あなたが自身のモデルを作ることを助けることでしょう。
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一番大きく違うのは、シム・レーシングにおいては守るべき予算がないことです。
 
一番大きく違うのは、シム・レーシングにおいては守るべき予算がないことです。
私は現実世界の例としてこれを実行しますが、"Live For Speed"プラットフォームにも採用するつもりです。
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現実世界の例としてこれを説明しますが、"Live For Speed"プラットフォームにもマッチするはずです。
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この節は、読者がクラッシュせずに2周走れることを前提としています。
 
この節は、読者がクラッシュせずに2周走れることを前提としています。
  
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トラック(サーキットコース)での最初の日です。いくつかの要素が制御下にあるはずです。
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トラック(サーキット)での最初の日です。いくつかの要素が制御下にあるはずです。
 
セットアップはラフに固定されているはずです。
 
セットアップはラフに固定されているはずです。
 
あなたがその車に対して全く空白であるなら、サスペンション、ステアリング、エアロダイナミクス、さらにデフを、中くらいにセットしてください。
 
あなたがその車に対して全く空白であるなら、サスペンション、ステアリング、エアロダイナミクス、さらにデフを、中くらいにセットしてください。

2017年2月10日 (金) 15:16の版

Robert Bjorkman in his Formula Renault

By Robert "Moby" Bjorkman

Setup01.jpg

ほとんどの人は、自分のドライビングスタイルに合うように現在のセットアップを調整することに問題を持っています。

あなたが速いと感じるセットアップを持っていても、それをより良くチューンする方法を知らないだけかも知れません。

セッティングの説明へようこそ。

このガイドは、セットアップの組み立て方とその発展方法を理解する手助けとなります。

基本

Moby1.jpg

このガイド中の情報を理解するためには、まずいくつかの基本情報(物理がどのように働くか)を知らなければなりません。

セクション1.1-0~1.5.1は、すべてのレーシング ゲームに共通の事項です。

セクション2.1.0~2.3.4は Live for Speed でのみ使えるデータです。

基礎レーシング物理

非常に簡単に言えば、レースというのは"荷重がどこへ行くか?"のゲームです。

高速に移動する車にブレーキをかけているとき、全荷重は車の前へ移動します。

加速するとき、全荷重は後へ移動します。

左へ曲がるとき荷重は右へ行き、そして反対に右に曲がるときは荷重は左へと行きます。

車は、あなたが行きたい方向に応じて動き回ろうとする質量(mass)を持っています。

私たちがやろうとしているレースとは、この動作を制御することです。

そのための多くの部品があります。

スプリング

車の質量(mass)は、移動するときにエネルギーを生じます。

車のスプリング(Springs)はこのエネルギーを吸収します。

シャーシ(chassis)で生じたエネルギーは、ばねを通じてタイヤに影響を及ぼします。

これは、スプリングが硬い場合には、シャーシからのエネルギーのほとんどがばねによって吸収されることを意味します。

そうするとシャーシの動きが速くなりますが、一方タイヤの移動量(amount of travel)が減少します。

そのためでこぼこなトラックを走行しているときには、タイヤは路面の凹凸を飛び越えてしまい、地面と接し続けることができません。

ダンパー

ダンパーは、車の質量(mass)を制御するためのさらなる調整を可能にします。

ダンパーの助けによって、サスペンションが、どの程度の速さで伸縮するかを制御することができます。

これは、コーナーの異なるポイントでのサスペンションの動きを制御することができることを意味します。

理解を助けるよう、ひとつのコーナーを示しましょう。

激しいブレーキング時の前方への荷重移動。

コーナー入口:あなたはブレーキをかけ、シフトダウンを開始します。
荷重:荷重は車の前方に移動します。フロントダンパーは縮み、リアダンパーは伸びます。

コーナリング時の側面への荷重移動。

エイペックス(コーナー中部):あなたはコーナーに入り、ブレーキペダルを放します。
荷重:このとき荷重は車の横方向へ移動しています。コーナーに対し外側のダンパーは縮み、内側のダンパーは伸びます。

加速時の後方への荷重移動。

コーナー出口:あなたはアクセルペダルを踏み、加速を始めます。
荷重:荷重は車の後方へ移動します。リアダンパーは縮み、フロントダンパーは伸びます。

結論としてセッティングするべき場所をまとめるとこうなります:

フロント リア
入口: ダンパー縮み側 ダンパー伸び側
出口: ダンパー伸び側 ダンパー縮み側

ダンパーをより柔らかくするほど、より速く荷重移動します。より硬くすれば、より遅く荷重移動します。

もし車が旋回に入ろうとするときアンダーステアであるなら、フロント側により多くの荷重が必要ということです。

フロント側を柔らかくしてより沈み込むようにする、あるいはリアダンパーの伸び側を柔らかくしてリア側がより持ち上がるようにすることで、よりフロント側に荷重移動するようにすれば、このアンダーステア特性を変えることができます。

もし車がコーナー出口でオーバーステアであるなら、リアダンパーの縮み側を硬くして後ろへの荷重移動を少なくする、あるいはフロントダンパーの伸び側を変更しフロント側があまり浮き上がらないようにして荷重移動を少なくすることができます。

アンチロールバー

コーナーを走り抜けるときには、車の質量(mass)は横方向へ移動します。

アンチロールバーは、左右のサスペンションに接続し、質量の移動量と歩調をあわせてサスペンションの位置関係(geometry)を保ち続けます。

簡単に言えば、これは左右の質量の移動量を制御します。

そのため車が横に傾いているときでさえ、タイヤは最大のグリップを保てるのです。

アンチロールバーは、過剰に硬いスプリングに頼ることなくロール抵抗を増加させます。

適切に選択されたアンチロールバーは、乗り心地の硬さを増加することなく、コーナーでのボディのロールを減らし、トラクションを向上させ、タイヤグリップを維持させます。

硬いアンチロールバーは安定性を増やしますが、代わりに利用可能ななんらかのトラクションを失います。

アンチロールバーは車全体のバランスを調整する非常によい部品です。コーナーバランスの個々の部分を変更したいならダンパーセッティングを用いるべきですが、全体のバランスを変更する必要がある場合はアンチロールバーを調整しましょう。

車高

車高

このセッティングは地面と車との間隔を調整します。

より低いセッティングは車の重心をより低くし、全体的なハンドリングの助けとなります。

しかしながら、車高の低すぎる車を走らせていると、特に縁石や路面のこぶ上で、地面に接触させてしまったり、サスペンションがそれ自身の持つ移動可能量よりも多く動こうとします。

これは速度や制御を失う結果となります。

ステアリング

最大切れ角(Maximum lock): ハンドルをいっぱいに切ったときに前輪の角度がどれだけ変わるか。

キャスター(Caster): 車を横方向から見たときのサスペンションの角度です。ステアリング時のタイヤのキャンバーを制御します。簡単に言えば、大きなキャスターは高速時により安定し、小さなキャスターは低速時により安定します。

パラレルステア(Parallel steer): ステアリング角度の増加につれフロント両輪の切れ角が変化する割合です。高い値では、ステアリング時にトーインになり、低い値では、ステアリング時にトーアウトになります。

車輪

車輪は車を地面に接続するものです。ここにはいくつかのオプションがあります。

トー(Toe)

トー

車輪がそちらへ進むよう初期設定された角度です。トーインは安定性を高めます。トーアウトは回頭性を高めますが、車をよりナーバスにします。

キャンバー

キャンバー

キャンバーが大きいほど、車は直線では速くなります。タイヤの接地面が少なくなるためです。

しかし大きなキャンバーはブレーキング性能や加速性能を減らしてしまいます。

普通のトラック(オーバル以外)でレースを行うすべてのレーシングカーは、ネガティブキャンバーになっています。

ネガティブキャンバーに設定すると、コーナーの外側の車輪の接地面積が最適化されます。

オーバルトラックには一方向のコーナーしかなく、かつ非常に大きなバンクがあり、外側の車輪には多量のネガティブキャンバーと、内側の車輪にはポジティブキャンバーが必要とされます。このように設定すると内側のタイヤもまた接地面積が最大になります。

キャンバー補正のためのタイヤ温度の読み方

Tyre Temps タイヤ温度

もしタイヤ温度がこのようになっていたら、キャンバーのつけすぎです:

外側 真ん中 内側
70 81 110

もしタイヤ温度がこのようになっていたら、キャンバーが不足しています:

外側 真ん中 内側
90 80 55

空気圧

タイヤの空気圧を調整します。空気圧が低いほどグリップは高くなり、反対に空気圧が高いほど直線で速くなります。空気圧が高いほど、精密なハンドリングが必要とされます。

ギアボックス

Moby2.jpg

ギアボックスはエンジン回転数(RPM)と、エンジンから車輪に伝わるトルクの量を制御します。ギアボックスは異なるギアレシオセッティングを用いて最適化され、そのためエンジンは常に適正な回転数で動作します。

ギア

ここでは、ギアボックスの個々の構成品を設定できます。

ファイナルギアは、より大きな加速性またはより高いトップスピードのどちらかを得るように、ギア設定全体を制御できます。

個々のギアもまた、特定のコーナーに最適化するように変更することができます。

デフ(Differential)

デフは、説明するにはかなり複雑な装置です。

ギアボックスから駆動輪への中間にある部品で、左右の駆動輪の動きの差を制御します。

デフの種類やその作動量を選択することによって、各駆動輪の駆動力を変更することができます。

デフの種類

ロックデフ(Locked diff): 左右の駆動輪の駆動力を等しくします。各駆動輪は同じ距離を移動します。 しかし、旋回時など、車輪が同じ距離を移動しないときには、抵抗力を生じます。 ロックデフを持つ車はまっすぐに前進したがるので、ドラッグレースには完璧です。

オープンデフ(Open diff): 各駆動輪はスムーズに動くよう(=抵抗力が生じないよう)に回転します。 しかし、左右の駆動輪のどちらかがグリップを失うと、その車輪は抵抗が加わるまで回転し続けます。 トラクションを失いやすいため、レースには適しません。

機械式LSD(Clutch pack LSD): オープンデフとロックデフの中間の性質を持ちます。 ある程度スムーズさを保ったまま、左右の駆動輪の回転数の差を制限します。 よくあるのは、イニシャルトルクと作動時の効きを調整できるものです。 これによってスロットルオフ時と、スロットルオン時で、どの程度ロックさせたいかを制御できます。

ビスカス LSD: これは機械式LSDに似ていますが、速度に反応して作動します。 片方の車輪がもう一方の車輪より速く回転していたら、遅い方の車輪に力を伝えようとします。 左右の車輪の回転差が大きければ大きいほど、遅い方の車輪により多くの力が伝わります。 機械式LSDに比べると、作動する力が弱いことが特徴です。

実際のレース環境においては、ほとんど機械式LSDのみが使用されています。

ブレーキ

車を止めるのはブレーキです。制動力(=ブレーキディスクに加える圧力)を設定することができます。

この制動力はほぼテストによってのみ決められます。フルブレーキングを行ったときにロックするかしないかくらいの値が適切です。

異なる状況に対応できるよう、ブレーキバランスを変えることもできます。

ブレーキバランスとは、フロントブレーキとリアブレーキに伝わる圧力のバランスのことです。

最適な値は50対50でしょうが、ブレーキング時には車のフロントに荷重が移動しており、リア側はより少ない質量であるため、後輪はロックしやすくなります。

したがって適切な値は、およそフロント60%、リア40%のあたりです。(ただし、車によってはフロント75%くらいが適切であることもあり、一概には言えません。)

ブレーキング中にリア側がロックするなら、ブレーキバランスをフロント側に割り振る必要があります。フロントとリアが同時にロックするなら、それが最適なセッティングです。

エアロダイナミクス

エアロダイナミクス

車周辺の空気の流れは、ウィング、車の形、またグランドエフェクトによって調整できます。

ウィングは、車をトラックに留まらせるダウンフォース(ネガティブリフト)を生みます。

これによって、トップスピードを犠牲にする代わりに、コーナーをより速く回れるようになります。

リアウィングを1ノッチ調整したらフロントウィングを2ノッチ調整するようにすると、車のバランスが同一に保たれます。

グランドエフェクトとは、走行中の車の下の空気の圧力が真空状態に近づくことで、車を地面に吸い付かせる効果のことです。

これは、いわゆるベンチュリ効果によって作られます。

グランドエフェクトは車高にほぼ比例し、車高が低い(=車が地面に近い)ほど、より効果が得られます。(車高に比例するグランドエフェクトはLFSでは未実装です。)


ゼロからのセッティング工程

車の基本がわかったところで、これらの情報を有効に利用する方法を学ぶ必要があります。

現実世界のほとんどのレースエンジニアは、テスト日やテストセッションの自分なりのモデルを持っています。

これからモデル一つの例をお教えしましょう。誰にでも適合するとは限りませんが、これはあなたに作業のベースを提供し、あなたが自身のモデルを作ることを助けることでしょう。

一番大きく違うのは、シム・レーシングにおいては守るべき予算がないことです。

現実世界の例としてこれを説明しますが、"Live For Speed"プラットフォームにもマッチするはずです。

この節は、読者がクラッシュせずに2周走れることを前提としています。

トラック・デイ

Moby4.jpg

トラック(サーキット)での最初の日です。いくつかの要素が制御下にあるはずです。 セットアップはラフに固定されているはずです。 あなたがその車に対して全く空白であるなら、サスペンション、ステアリング、エアロダイナミクス、さらにデフを、中くらいにセットしてください。 そこは高速コースですか?低速コースですか?それによってギアボックスの出発点が決まります。 走行するであろう周回数を検討したら、それにしたがってガスタンクを満たしてください。

ステップ
  1. 準備します。最初の周回では、私はいつもタイヤ温度画面をONにします(F9)。ここでタイヤ温度の違いを見ることができます。青は、タイヤが冷えていることを意味します。最初の周回は常にタイヤを温めることを念頭に置きましょう。冷えたタイヤから得られるどんなフィードバックも役には立ちません。緑は、タイヤが最適な範囲に入っていることを意味します。赤はタイヤが熱すぎることを意味し、黒はパンクを意味します。
  2. 適切にテストを行います。今あなたは2周目にいるはずです。タイヤは緑を示しています。1周目を終え、あなたは車に対するおおよその感じを持っているはずです。適切にテストをするとは、レースの速さで走行することを意味します。遅すぎれば、正しいタイヤデータまたはバランスに帰結しません。速すぎれば、壁にぶつかる羽目になります。2周目の間は、各コーナーのメンタル・ノートをとってください。コーナー中のバランス、ブレーキ、そして回転数をノートします。
  3. データを取り扱います。3周目に入るときには、2つの選択肢があります。
    1. 全コーナーのメンタル・ノートをとるまで走行を続けます。
    2. 停止して、温度をチェックしそのノートをとります。(1.2.3)にしたがってキャンバーを修正します(訳注:正しくは1.2.2)。テストの間、定常的にタイヤと温度に注視することは必須であり、キャンバーが適切であることを常に確認しなければなりません。認定セットアップをすることは、通常より多めのキャンバーで走行することを意味する場合もあります。
解析

ガレージにいる間、メンタル・ノートを思い返してください。最大の問題はなんでしたか? 一度にひとつだけ調整してください。まぜあわせると、しばしばやり過ぎの結果になり、かつ、何が何を行ったのかわからなくなります。

ステップ1,2,3を再び行ってください。ひとつだけ変更して、繰り返します。今度は何を第一にチューンしましょうか。 ここに、私の着目点リストを示します。私は通常、まずはこのリストをやや迅速に一通りやり、作業のよい基礎を得ます。 なお、これらの変更の間、私は常ににキャンバーを変更し続けていますのでご注意を。

  1. ブレーキ
  2. スプリング
  3. アンチロールバー
  4. エアロダイナミクス/ギアボックス
  5. ダンパー
  6. ステアリング、キャスター、パラレルステア
  7. タイヤ空気圧

ほとんどの変更は、セットアップの他の項目に影響する結果となります。 このリストを数回やる必要があるかも知れないことを覚えておいてください。 エアロダイナミクスはトップスピードやコーナリングスピードに多大に影響を及ぼすので、 そうすると、テスト中の異なるエアロセッティングに合うよう、ギアボックスを試して調整すべきなのです。 設定を作りこむのは、時間を消費することです。 最終的に、完璧にあなた向けの設定を得ることになるでしょう。それがこのガイドの目指すものです。

既存のセットアップのチューニング

Moby5.jpg

異なるコントローラ

各々のハンドルコントローラおよびコントローラセッティングに対し、どのパラメータが特別でしょうか? これらを分解することはあなたのハンドルを調整する助けとなるでしょう。

これらのセッティング項目は ガレージ の ステアリング で見つかります。 最初にあるのは最大ロック角です。この値はハンドルがフルロックまでに何度回るかを制御します。 あるセッティングについて、もしあなたが過敏と感じ、他の誰かがとても安定していると感じるならば、このセッティングを減らすべきです。もしあなたが全く回っていないと感じるなら、このセッティングを増やすべきです。 私はよく、このセッティングで遊んでいます。例えば、もしセットアップ製作者がMOMOのハンドルを持っているなら、私のAct-labsのハンドルに適合するためには最大ロック角を1~3ノッチ減らすべきだ、と私は考えています。

さて次の設定は、ハンドルコントローラが何度回るか です。 これがどのようにして働くかは別の場所で説明されているでしょうが、重要なことは、スライダーの上に値が書いてあるということです。 その値が、あなたにお勧めの値です。しかしながら、私を含めほとんどの人はその値を使用していません。 (これはオプションメニューのハンドル回転角と、とても関係しています。) 私は、ステアリングメニューにあるハンドルコントローラ回転角の推奨値に対し 30~35%あたりの値に設定すると、 より的確であると感じています。しかしながら、このやりかたはすべてのハンドルで望ましい効果があるとは限りません。 これら両方の値を、あなた自身に合うように試すとよいでしょう。 この作業は、あなたが手に入れるすべてのセッティングについて必要かも知れませんが、 少し経過すれば、あなたは、何が何に影響するかすぐにわかるようになるでしょう。

セッティングにあなたのハンドルを適合させたら、あなたは、そのセッティングがどう働いているか、 そして特定のセッティングに何の長所があるのかを分析できるようになっていることでしょう。

解析

Read (2.1.3). What I would like to add is, if you’re running a good set you only need small changes. By small I mean changing 2-4 notches in either direction. The tricky part is when you have a setup that you like, but you’re just not fast enough. What do we change then?

There is no secret that most people download setups or ask others to share with them. However this is no certainty for success. Driving styles, different controls and control setup will upset the balance or change different aspects of the set. So what makes a world record set for one guy is not a world record set for someone who doesn’t use the same control options.

The most information when receiving a set is when you compare it with your old set. Analyse why it works. Is there some special parameter that is very different from your old set? The best sets I have made is often a rear end combined with a front end from some other set, and then I combine these two with a gearbox from a third set and so on. Take all the best pieces from each set and put it into one. But first we must understand some of the basics of the new set.

速さ vs 安全性

Going faster means you are pushing towards what physics allow. When you get closer to that limit it will mean losing some of your control. When you are the fastest in the world it means you’re the one that is closest to the limit of the car without losing control. At one point in your set development you will get to the point when you cannot make the car go faster in a straight line because then you lose in the corners. When you have a decent balance in the car you try and see if you can go further without losing control. This is done in small steps.

  1. Reduce downforce, 2 notches at front and 1 at rear. Still good, then move on
  2. Higher tire pressure, when its too high you will lose traction.
  3. Optimize gearing
  4. Reduce toe

Repeat the cycle until you feel you can go no further without losing the car. Still no world record?

自分自身の技術の向上

成功の秘訣は準備と練習にあります。

セッティングを作りながら練習することは、ワールドレコードという大きなパズルの大事な一つのピースです。

ワールドレコードのリプレイを見たり、他の上手なプレイヤーと一緒に走ることは、このピースを作るのに大きく役立つでしょう。

これらと比較して、自分の走りのどの部分が遅くて、何が悪いのかを分析しましょう。

この分析を行うことで、「ここでもう少し早く走れるのか!」と気づくことができると思います。

耐久セットアップ

近頃は長距離レースが人気です。耐久レースには良いセットアップを持つことと、首尾一貫したドライバーを持つことが重要です。

タイヤを持ちこたえさせることはとても複雑なことであり、それは組み合わせに応じて異なってきます。例えば、燃料タンクが満タンのときのバランスと、空のときのバランスとは異なるなど、様々な要因が関わってきます。

解析

まず初めにするべきことは、現在のセットアップでフルスティントをこなすことです。

燃料タンクを満タンにし、タイヤがコントロールできなくなるほど熱くなるか、パンクするまでプッシュし続けて下さい。

このデータはスティント内での妥協するべき点を見つけるのに役立ちます。スティント間を全て完璧なバランスでこなすことはほとんど不可能です。

スティントの開始は弱アンダーステアとなるようにセッティングすると良いでしょう。燃料が消費されるに従ってアンダーステアが消され、徐々にニュートラルステアに向かっていくでしょう。スティントの終わりにはオーバーステアになるようになるとより良いです。

スティントの内、タイヤが最高温度に達したときが最も重要なポイントです。最高温度に達した後は、タイヤの温度はゆっくりと下がっていきます。

タイヤが最高温度に達したとき、あなたは最も価値のあるラップを引き出せるでしょう。

このようにすればあなたは簡単に車の限界を引き出すことができるはずです。

タイヤ
1スティント間でのR2コンパウンドタイヤの温度変化グラフ

The tire in LFS has a cycle. It starts cold and starts to heat up and will reach a peak temperature, and as it starts to wear down the tire will release some of the heat and start to go down in temperature. This cool off effect is greater then in real life and on some tracks you must balance the peak and the eventual puncture temperature. Having higher airpressure in the tires will make the tire peak temperature lower. Having perfect camber and minimizing slides is also things that make the tire last longer and also bring down the peak temperature slightly.

If we go more into detail, a softer spring is also something that extends tire life. Although this effect seems very small in LFS. Toe in/out also adds to roll resistance. More tire pressure will give you a more precise handling and since it will deform less and reduce flex in the tire wall it does not use as much energy as low inflated tire. Meaning it will roll easier but on the other side have less traction and grip as a low inflated tire.

最後に

ドライバーとして、首尾一貫していることはとても重要です。というのも、あなたがラインやドライビングスタイルを変更したら、セットアップは毎回異なる反応を示すからです。テストする際は、決まった一つのラインをたどるよう走行し、そこから外れないようにしてください。より精度の高いテストデータが得られるでしょう。

クイックリファレンス

Moby3.jpg

車がアンダーステア/オーバステアの挙動を示す場合、以下の表に従ってセットアップを変更すると良いでしょう。ただし、これらは一般論であり、セットアップによっては異なる場合があります。

挙動を示す場所 アンダーステアになる オーバーステアになる
コーナー入口 フロントダンパー縮み側を柔らかくする
リアダンパー伸び側を柔らかくする
キャスターを増やす
フロントのアンチロールを柔らかくする
リアのアンチロールを硬くする
フロントダンパー縮み側を硬くする
リアダンパー伸び側を硬くする
キャスターを減らす
フロントのアンチロールを硬くする
リアのアンチロールを柔らかくする
コーナー中部 フロントのロールバーを柔らかくする
リアのロールバーを硬くする
キャンバーを増やす
フロントのダウンフォースを増やす
リアのダウンフォースを減らす
フロントのロールバーを硬くする
リアのロールバーを柔らかくする
キャンバーを減らす
フロントのダウンフォースを減らす
リアのダウンフォースを増やす
コーナー出口 フロントダンパー伸び側を硬くする
リアダンパー縮み側を硬くする
キャスターを減らす
フロントのアンチロールを柔らかくする
リアのアンチロールを硬くする
フロントダンパー伸び側を柔らかくする
リアダンパー縮み側を柔らかくする
キャスターを増やす
フロントのアンチロールを硬くする
リアのアンチロールを柔らかくする
このガイドに関わった全ての方へ感謝いたします。
Robert “Moby” Björkman, Cyber Racing
Setup11.jpg
このガイドの基となるデータはCyber Racing Teamによって制作されています。http://www.cyber-racing.org


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